院生の日常というのは大学生のそれとはまるで違います。まさに別世界。
今回はそんな知られざる院生の生活についてお伝えします。
大学院生の日常

生活のほとんどが研究
これに尽きます。大学院は学ぶところというよりかは研究するところです。
研究室に来ている間はとにかく研究ばかりしています。
自分で研究計画を立て、あとはひたすら実験して検証していきます。とにかく地味です。
研究嫌いな人にとってはまさに地獄な環境。向き不向きはかなりあります。
実験の隙間時間で資料整理と論文調査
実験を行っていると必ず、隙間時間ができます。特に化学系や生物系は実験そのものが長いので待ち時間も多いです。
この時間に遊べるかというとそうではありません。資料整理や論文調査などやることがいっぱいです。ゼミの準備もここで行います。
机作業だけ実験だけと分けていては時間が足りなくなります。要領の良い人が勝ちます(;´∀`)。
授業は少ないけど、難易度が高い
大学院の授業数は実は非常に少ないです。それだけ実験をしろってことですね。
注意しないといけないのは、授業数が少ないため時間的には楽なのですが難易度がかなり高いです。
特に教科書や板書が英語の授業が結構あるので予習していないとしんどいです。
アルバイトをする時間はない
基本的に収入は奨学金頼みです。院生は学部生と違って奨学金を多く借りれるため、アルバイトはしない人が多いです(やる余裕がありません)。
そのため卒業時にはもれなく数百万単位の借金を抱えることになります(;´・ω・)。
たまに院生で塾講師などのバイトをしている学生を見かけますが、よっぽど暇なんでしょうね。もちろん教授からは良く思われません。
唯一院生ができるバイトとしては学生実験のティーチングアシスタントがあります。
数が少ないので大した額にはなりませんが、時給が2000円くらいと高額なので割の良いバイトです。
教授と学部生の連絡役
教授が研究室全体で何かやろうとするとまず院生に声をかけることが多いです。いうなれば行事の幹事をしろということです。
この他にも何かあると教授は院生を頼ってきます。院生は無料で使えるバイトなのです。
教授との相性が悪いと地獄になります・・。
研究室は居残りし放題
研究室によって出勤時間が決められているところも中にはありますが、基本的には昼までに来いというところが多いです。
それとは対照的に退出時間は無制限。好きなだけ居残りが出来ます。
昼間は実験室が混んでいるので、私は夜に実験を行っていました。必然的に帰るのは日付が変わった深夜の1時~3時くらい。泊まり込みも結構しました。
時間帯は違えど、多くの学生が12時間から15時間は研究室にいる計算になります。
ワークライフバランス?ありませんよ(ニッコリ)。
心理的なストレスとの闘い
院生の生活は体力的にだけではなく、心理的にもハードです。
2年間という時間はかなり短く、その間に就活もやらねばなりません。
またゼミだけでなく、学会も半年に一度存在するため常に締め切りに追われています。
人間関係の悩みも多く、教授や実験パートナーと相性が合わない場合はとにかく疲れます。
そのため精神を病んでしまう学生も多く、知らない間に消えてしまう学生が毎年何人か出てきます。
私もクリニックに通いながらなんとか研究をしていました。
研究室という独特な閉鎖感が心身の状態を狂わせていきます。
結果が出ない辛さ
選んだ研究テーマによって結果の出やすさにかなり違いが生まれます。
もちろん結果が出ないということも大事な実験データなので必要なのですが、ゼミや中間発表が辛いです。
同じ量の実験をしていても結果が出ている学生の発表はそれなりに聞こえるんですね。
実験結果が出ていない研究の発表はまさに公開処刑そのものなのです・・。
でもデータ改ざんはダメ、絶対!
学会発表は旅行できるけど金が飛ぶ
大学院に入ったら一度は経験してもらいたいのが学会発表になります。
結果が出た後の学会発表は結構楽しいです。もちろんそれまでの準備はかなり大変なのですが。
会場にはその分野の有名教授や各大学の院生が揃うので、多くの刺激を得られます。
そして一番楽しいのは開催場所の観光地を巡ることです。大学院に入って唯一地方に旅行できるのが学会発表の場になります。
問題はお金が飛ぶこと・・。開催場所にも寄りますが、九州や東北になれば飛行機が必須です。
借金がまた増えることになります。
まとめ
一言でいえば懲役2年。それでも学部生で卒業した友人たちが働いていることを思えばなんとかやれるハズ。
自分に打ち勝つのだ!